クリーンルームとは
クリーンルームとは、空気中に浮遊する塵や埃を一定のレベルまで除き、必要に応じて温度・湿度等を制御する部屋のことです。同じクリーンルームでも、清浄度に応じて、さまざまなレベルが存在します。
清浄度規格
広く慣用されている米国連邦規格では、約30cm 四方の中に含まれる0.5μm以上の埃や塵などの粒子の数量で、清浄度のクラス分けがされています。クラスが小さいほど清浄度が高く、より精密製品が必要とされる産業や分野への対応が可能です。
池田製作所の清浄度レベルは、クラス10,000(クラス7)まで対応しています。
具体的なクラスについては、以下を参考にしてください。
Fed.Std.209D | 0.1μm | 0.2μm | 0.3μm | 0.5μm | 5μm |
クラス1 | 35 | 8 | 3 | 1 | - |
クラス10 | 350 | 75 | 30 | 10 | - |
クラス100 | 3,500 | 750 | 300 | 100 | - |
クラス1,000 | 35,000 | 7,500 | 3,000 | 1,000 | 7 |
クラス10,000 | - | - | - | 10,000 | 70 |
クラス100,000 | - | - | - | 100,000 | 700 |
※アメリカ連邦規格Fed. Std. 209Dより抜粋・(1ft3中に含まれる0.5μm以上の微粒子数 個/ft3)より抜粋
求められる産業別清浄度
具体的には、下記の産業分野・製造業においては、次の清浄度クラスが求められています。
産業・分野 | 清浄度・クラス | 概要と対策 |
半導体 | クラス1~100 | 最高レベルの塵埃管理と微細塵埃対策 |
電子部品 | クラス10,000 | 電子部品への塵埃対策 |
光学機械 | クラス10,000 | 高精度製品への塵埃対策 |
精密機器 | クラス10,000 | 精密機器への塵埃の除去と対策 |
薬品・食品 | クラス10,000 | 虫の侵入対策・塵埃の除去 |
医療・手術室・治療室 | クラス10,000 | 空気感染、医師、患者の保護 |
印刷 | クラス1,000~100,000 | 製品の仕上がりと品質向上 |
自動車部品 | クラス1,000~100,000 | 素材の切粉、コゲ、くずなど視認できるものの除去 |
※アメリカ連邦規格Fed. Std. 209Dより抜粋・(1ft3中に含まれる0.5μm以上の微粒子数 個/ft3)より抜粋
医療や精密機器の分野において、クリーンルームの設置は必要不可欠です。
- エアーシャワー・パスボックスを設置することで、人体・労働で発生する塵埃を持ち込ませない
- クリーンルーム用の精密温湿度空調設備で、必要に応じ制御精度を調整
- 床隅にR材を、壁・天井には断熱パネルやクリーンクロス張りを付け平滑にすることでクリーンルーム内の塵埃の付着と堆積を抑える
- 循環風量と塵埃を取る高性能フィルターで、必要な清浄度を維持、管理
- クリーンルーム内をOA供給設備、及び陽圧ダンパーで外気圧よりも高く保ち、外からの浮遊塵の侵入を防ぐ
適切な運用で、クリーンルームの機能を最大化
クリーンルームを設置していても、運用の仕方によっては、塵埃の侵入は発生してしまいます。
池田製作所では、クリーンルームの設備面だけではなく、人的な資源を活用し清浄度の適切な運用に努めています。
定期的な会議を重ね、従業員の意識向上にも目を向けています。
池田製作所のクリーンルーム Q & A
Qどのような作業をクリーンルームで行っているのですか?
Aクリーンルームでは、主にインサート成形、検査作業を行っております。